こんにちは、やしろーです!!
今月、陸上自衛隊の自衛官候補生が教官に向けて発砲するという、日本中が衝撃を受ける事件が発生しました…
予備自衛官をしている者として、本当に衝撃的というか、「信じられない」の一言に尽きるような事件です。
今回は、現在報道されている情報をもとに、事件の経緯について解説していきたいと思います。
陸上自衛隊発砲事件の真相とは!?(前編)
1 事件の概要について
2023年6月14日、午前9時10分ごろ。
岐阜市日野南の陸上自衛隊日野基本射撃場で、実弾を使った射撃訓練中の自衛官候補生の18歳の男が、3人の男性隊員に向けて小銃を発砲した。
3人のうち2人は搬送先の病院で死亡が確認され、1人は重傷を負った。
男は殺人未遂の疑いでその場で現行犯逮捕され、岐阜県警に身柄を引き渡された。
捜査関係者によると、教官に叱られた直後に無言で発砲したといい、陸自中部方面隊と県警は容疑を殺人に切り替え、さらに動機の解明を進めている。
2 自衛官候補生とは?
一般の方は「自衛官候補生」という言葉は聞きなれないと思います。
一言でいうと、”自衛官のたまご”です。
4月に入隊した隊員は、自衛官として正式に任官したわけではありません。
3か月間の厳しい基礎訓練を通して、自衛官として必要な体力や技術、精神的な素養を身につけていきます。
その中に射撃訓練も含まれており、隊員一人一人に小銃が貸与されます。
すべての訓練を終え、自衛官としての適性が認められれば、7月から正式に任官される流れになっています。
3 射撃訓練で使用する銃は?
陸上自衛隊で使用する銃は、警察官が所持しているような拳銃ではなく、「89式自動小銃」と呼ばれる銃身の長いものです。
通常は単射で使用しますが、モードを切り替えれば連射も可能です。
数百メートル先の的を射抜くことができ、殺傷能力の高い武器と言えます。
当然、新入隊員にはその銃の特性、銃口管理(銃口を人に向けないこと)の方法や安全装置の取り扱いなどを徹底して叩き込み、万が一の事故を防ぐための対策を抜かりなく施しています。
4 射撃訓練はどのように行われる?
当日の射撃訓練に参加していた隊員は100名ほどいたとされていますが、射撃場内には一度に全員が入ることはできません。
射撃を実施する隊員が10名ほどと、それを管理する隊員が20~30名ほどいたと思われます。
小銃の取り扱いは非常に厳格で、ひとつひとつの行動は細かなルールに基づき、上官の指示の下で行われます。
通常、訓練生は自分の順番が来ると射撃線のある場所まで進み、銃を足元に置いてから、所定の場所へ実弾を受け取りに行きます。
そして、射撃線に戻ってから弾を弾倉に装てんします。
この間、薬きょう回収係や射撃係と呼ばれる隊員がすぐそばから注視していますので、今回のような犯行を行うのは難しい状況であると言えます。
5 なぜ、今回の事故が起こったのか?
テレビ局の報道によると、本来は射撃線上で行うはずの作業が、10メートルも後方で行われていたらしいのです。
つまり、教官の背後に、実弾が装てんされている小銃を持った隊員が構えているという構図が出来上がってしまいました。
これって、想像しただけでも怖ろしいですよね…(=゚ω゚)ノ
この少しの手違いにより、その気になれば他の隊員に簡単に銃口を向けることのできる状況が生まれてしまいました。
また、事件直後にAEDを探して走っている隊員の姿があったことから、万が一の事故への備えも軽率になって可能性があります。
その状況が、犯人の隊員の心に魔を差す一因となったと考えられます。
陸上自衛隊発砲事件の真相とは!?のまとめ
いかがだったでしょうか。
事件からまだ日が浅く、動機も含め、まだ事件の全容は明らかになっていません。
これから警察や刑務隊による捜査が進むにつれ、最新の情報が明らかになってくると思いますので、それらが判明し次第、新たな記事を発信していきたいと思います。
今回の事件で命を落とされた2名の隊員のご冥福と、負傷された隊員の方の回復をお祈りいたします。
以上、投稿終わり。