予備自衛官/予備自衛官補

【陸上自衛隊発砲事件】18歳自衛官候補生逮捕の真相(後編)

こんにちは、やしろーです!!

6月14日、陸上自衛隊の自衛官候補生が教官に向けて発砲するという、日本中が衝撃を受ける事件が発生しました…

予備自衛官をしている者として、本当に衝撃的というか、「信じられない」の一言に尽きるような事件です。

今回は、事件から2週間が過ぎ、徐々に判明した事件の真相について解説していきたいと思います。

陸上自衛隊発砲事件の真相とは!?(後編)

1 事件の概要について

2023年6月14日、午前9時10分ごろ。

岐阜市日野南の陸上自衛隊日野基本射撃場で、実弾を使った射撃訓練中の自衛官候補生の18歳の男が、3人の男性隊員に向けて小銃を発砲しました。

3人のうち、菊松安親1等陸曹(52)と八代航佑3等陸曹(25)の2人は搬送先の病院で死亡が確認され、別の3等陸曹(25)は重傷を負いました。

男は殺人未遂の疑いでその場で現行犯逮捕され、岐阜県警に身柄を引き渡されました。

捜査関係者によると、教官に叱られた直後に無言で発砲したといい、陸自中部方面隊と県警は容疑を殺人に切り替え、さらに動機の解明を進めています。

2 容疑者の隊員の生い立ちは?

一部の週刊誌で実名報道が行われ、容疑者の生い立ちが明るみに出てきました。

報道によると、その候補生は岐阜県立羽島高校をこの春卒業した、渡邉 直杜(わたなべ なおと)容疑者とされています。

渡邉容疑者は6人兄弟の3番目で、両親を含め8人の大家族の中で育ちました。

一家の原点は、岐阜市中央卸売場に近い、現在は取り壊されたアパート。

当時の大家の話によると、家賃は3万円と非常に安かったのに、最後は家賃を払わず、家財道具もほったらかしのままであいさつもなく出て行ったそうです。

家計は厳しく、両親は渡邉容疑者を2つ上の兄とともに児童養護施設に預けることになりました。

その後、両親が岐阜県安八郡の貸家に住居を移すと、子ども達は再び親元で過ごすことができるようになりました。

渡邉容疑者は小学校では「伝統遊びクラブ」、中学校では「美術部」に所属し、放課後はもっぱらゲームに明け暮れていた様子。

前髪が眼にかかるほど長くなり、周囲の友達からも心配されていたそうですが、中学2年生の頃には不登校となり、突然転校していったそうです。

3 転校後の渡邉容疑者の生活は?

渡邉容疑者が転校した先は児童心理療育施設で、家庭環境に問題があるなどに理由で社会生活への適応が困難となった児童たちとともに生活を送っていたそうです。

岐阜県立羽嶋高校に進学すると同時に退所しますが、実家には戻らず、複数の里親の元を転々とする生活を送りました。

里親との関係は悪くなかったようで、高校では放送部に所属し、3年次には部長として活躍していたそうです。

また、高校時代には3つのアルバイトを経験しており、ドラッグストアの倉庫での作業、ラーメン店でのキッチンでの調理補助、倉庫での洋服の箱詰めに携わっていたそうです。

4 高校卒業後は自衛隊への入隊を決意

高校3年生になった渡邉容疑者は、自衛隊への入隊を決意し勉強や面接対策に打ち込んだといいます。

そして、入隊試験に見事合格し、そのことを実父に報告すると、実父の喜びはひとしおだったといいます。

実父は「息子がこの春から自衛隊に就職する」と、運送業者の仕事仲間に自慢したそうです。

しかし、入隊後2ヶ月でこのような事件が起きてしまったことは非常に悲しく、残念なことです。

マスコミの取材に対し、実父は「普通の子やけぇ」と語ったそうですが、複雑な家庭で育ったという背景がこの事件に結び付いたことは否定できないと感じてなりません…

5 今後の自衛隊への影響は?

今回の事件を受けて、自衛隊全般に波紋が広がっています。

現在、全国の自衛隊で実弾射撃が中止され、安全の確保が確認できるまで再開の見通しは立っていません。

実弾射撃の実施方法について、これまで以上に厳しいものに変わる可能性があります。

また、自衛官候補生(新入隊員)や予備自衛官の採用についても、特に本人の倫理面について、厳しい基準が設けられると考えられます。

また、自衛隊に対する社会全体の信頼を取り戻すためには相当な時間がかかり、今回の事件が発生してしまった守山駐屯地の納涼祭等のイベントも、中止される可能性があります。

陸上自衛隊発砲事件の真相とは!?のまとめ

いかがだったでしょうか。

事件から2週間が経ちましたが、まだ事件の波紋は広がっている状態です。

事件再発防止策がこれから煮詰められていくと思いますが、最も大切なのは、隊員一人一人が「自衛官」という「国民を守る使命と権限を与えられた身分」であることに誇りをもち、確かな自制心の下に様々な訓練を行っていくことだと思います。

日々真面目に職務や訓練に当たっている自衛官のみなさんの努力が報われ、一日も早く、自衛隊に対する信頼が回復し、適切な訓練が実施できることを心より祈っています。

以上、投稿終わり!!